私はなぜ無能か

私のことを無能だとか低収入だとかなんとか言ってくる人々がいるが、そのようなことは百も承知である。いまさらなのだがあらためてまとめておく。

CVはこちらです。

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一言で言えば、労働市場に参加する資格がないからである。

まず大前提として、以下のディスアドバンテージがある。

  • 完全に壊れた家庭で育った:片親は難病と統合失調症だった。そこそこ偏差値の高い中学に受かったが貧困で行けなかった。その後そもそも家で過ごすのが危険になった。実家が太くて幸せな経験しかしていない人とは見ている世界が違う。
  • 発達障害:いろいろあるので障害名だけでは説明したことにならない。詳述はしない。医師からは就職は無理、働かない方がいいと初診から言われている。
  • 鬱病ドロップアウト:まあ学歴があればどうにかなる。理系の情報系の学科にいたのだが、20歳で母親が亡くなって鬱病をやってしまった。そこそこ良くなったのだが、戻りたくもなく社会学編入学し、就職後博士課程まで行った。

とはいえ、そのような状況で高収入を手にした人もいくらでもいる。幸せなのは良いと思う。ではなぜ私がまともな労働をしていないか。以下に致命的なファクターをまとめる。

  • 就職活動をするコミュニケーション能力がない:そもそも、おそらく障害由来で、人に自分から話しかけることが非常に苦手である。それゆえ、職に関する話を転職エージェントなり知人なりとするのも困難である。同様の理由でフリーランスも困難。今まで働けているのは全て向こうからのオファーである。
  • 決まった時間働けない:おそらく1日に守れる時間は1回が限度である。資格学校の先生で週3日働いていたが、3ヶ月で限界になった。また、集中力が持たず1日1時間半を3回くらいが限界。あとは曖昧な稼働になる。だからフルリモート、フルフレックスで働いている。実情としてはフルタイムではないが、フルタイム扱いになっている。社長にも正直に話してあり、結構働いており、案件はちゃんとこなしているので表では問題にはなっていない。逆に働きすぎる月もある。

とはいえ、そのような状況で高収入を手にした人も多少いる。幸せなのは良いと思う。ではなぜ私が現状維持をしているのか。ここに2つの選択肢がある。

  1. オファーはあるので、転職して高収入でバリバリ働く:なくはない。しかし、おそらく仕事だけで一杯になってしまい、他のことは何もできなくなってしまうだろう。多少の趣味は必要である。無理をしたら恒久的に精神を病む可能性がある。例えば3年働いて経済的な安定を得るという選択肢もあるが、メリデメ、リスクを考えると失敗する可能性が高い。
  2. 今の会社で働き続け、そこそこ自由に研究や趣味をやる:常に収入面では不安であるが、低すぎるわけではない。また、11年務めたため私の特性についていろいろわかってもらっている。本気で論文などを書くとなると大変だが、割と楽して楽しく生きている。

私は後者を選んだ。それを無能と呼んでもよい。

FAQ

  • そもそも、あなたの人格に問題があるのでは?
    →特定の状況で非常に不適切なことをすることはあります。しかし、馴染める場所もあるし、その点で生き延びられる場所は限られます。八方美人ではないです。
  • 頑張れよ
    →歳なので体鍛えたりリスキリングしたり論文書いたりいろいろやっています。
  • でもお前低収入でしょ
    →はい。
  • 有能な人は高収入を得ながら仕事と研究を両立させてるよ?
    →業績をあげてる人が言うなら全くその通りなのですが、そのようなことを言う人ほど自分の業績を隠すのですよね。私にかまっている暇があれば研究したほうがよいのでは?
  • 学部電通大の人間コミュニケーション学科でしょ。低学歴では?博士課程で慶應に行ったロンダ野郎。博士取れなかった無能!そもそも文系の博士なんて意味あるの?
    →はい。確かに高校で学歴レースは諦めましたよ。なので技術面の教育は工業高校卒となります。コロナでオンライン授業になった時期が博士課程最後の学年なので、いくつか情報工学の学部と院の授業を受けましたが、OS、コンピュータアーキテクチャ、計算モデルなどについては割とわかっているようです。そりゃ東大の理情の博士に匹敵するとは思いませんが。結局私は文系です。でもね、今の研究最高に楽しくて止められないんですよ。
  • 先に金を儲けてあとで自由に研究すればいいのでは?
    →それ、失敗例すごく多いんですよ…歴史に興味があるけどがむしゃらに仕事してて、定年で復帰したら陰謀論に行っちゃったり。というか、そのような人々の欲望を利用しているのが陰謀論や過激な政治思想です。現役のうちから色々学んでおくに越したことはありません。