低い自己評価にはワケがある!ダメなジブンの製造法

私には、同業の人間と話すと必ずといっていいほど言われることがある。「君は自己評価が低すぎる!」だ。それもそのはず、私は自己評価が低く、実際にあらゆる面で人より劣っているのだ。しかも私は鬱病ではない。ある程度以上自己評価が低ければ鬱病など吹き飛ぶのだ。これから、私が半生培ってきた経験に基づく、自己評価を低く保つその秘法を伝授しよう。

優れた人間と接触しろ!

インターネットの発達で、小さなコミュニティをアドホックに作り上げるのが容易になってきた。オフ会の範囲を超えて、勉強会や研究会など、高度な人間が集まる場も多く存在する。いわゆる成功哲学では人脈を重要視していることが多く、これらの会合への参加は人脈作りの有力な手段になる。

しかし、見方を変えてみよう。ある種の会合では、それこそ何らかの領域を極めた人間が、雑然とネットの未来などを信じて集まっていたりする。こういう会を探すのは難しいが、たとえニートでも問題なく入れてくれたりする。それが彼らの流儀だからだ。一度そんな場に行けば、あなたはもうイチコロだ。周りは社長、博士、大企業社員、ハッカーから有名な芸術家など、あなたをあらゆる面でコテンパンにする人材を簡単に見つけることができる。彼らと名刺交換をし、会話を弾ませ、たまには本業の話でもすれば、帰る頃にはあなたの自己評価は相当に下がっているはずだ。

状況にそぐわない目標を持て!

優れた人間のいるコミュニティは、低い自己評価を確立する核心の一つだ。しかし、それでは、得てしてあなたと同じ立場の人間が多い日常生活では通用しない。日常でも低い自己評価を保つには、ある種の理想、信仰と言ってもいい、それを持たなければならない。

それは、さしあたり日常に即した目標でいいだろう。「王になりたい」などといった現実離れした目標は、日常では忘れられがちなのでだめだ。ただし、その目標はあなたが置かれた状況にそぐわないものでなければならない。

あまりにもダメな状況でなかったら(その場合自己評価を低くするのに努力をする必要はない)、あなたの置かれた状況では何かの目標をかなえることができる。つまらない職場では安定が手に入ったり、きつくて不安定な職場では多くの金が手に入ったりする。男女比が1対1なら、恋愛もほとんどの場合可能である。

まあそんなこんなで、目標は意外にかなったりするし、持たなくても人がうらやむものは手に入ったりする。しかし、あなたが持つべき目標はそんなものではない。何かが手に入ったとしても、「私はだめだ」と言い切れるものでなくてはならない。そのために、あなたが置かれた状況では手に入らないものを手に入れようという目標を持つのだ。例えば、コンビニバイトで金持ちになるのはただの夢だ。銀行で楽しく仕事をするのは無理だ。理系大学や男子校で彼女を作るのはほぼ無理だ。そういうダメな目標を持てば、あなたの自己評価は常に低いものになる。

一人のときは何もするな!

あなたが一人になったとき、それは安らぎの時だ。ネット、ゲーム、映画、スポーツ、あらゆる趣味を使って、優れた人間からも、かなわない目標からも逃れることができる。しかし、それではダメだ。あなたは、一人でいる時こそ、自らに直面して自己評価をさらに低めなければならない。

そのためには、何もしないことだ。何もしなければ、あなたを現実への反省が覆い始める。会合で出会った社長や、楽をしている人間、今幸せに二人で過ごしているであろう人間、彼らが大挙してあなたの基に押し寄せてくるのだ。それでも逃げてはいけない。何かをしてはいけない。ベッドから出てはいけない。そのうちにあなたは睡眠不足と衰弱で、朦朧としていき、彼らは悪魔のように見えてくる。そう、それこそがこの世界なのだ。この現実なのだ。

以上を実践すれば、あなたの自己評価も必ず低くなるはずだ。

ちなみに、逆をやっても自己評価は高くならないと思うよ。
一人の時はなにやっててもいいと思うけど、周りを自分よりダメな人間で固めて、現状に甘んじる人間ってどうなんでしょうねぇ…