最近は位置ゲーやARなど、実際の屋外の空間と情報提示を重ねあわせる試みが注目されてきた。生活に必要な情報を提供するなどのアプリケーションの場合、コンテンツがそろってみないと真価がわからないというのもあり、新しい現実と非現実が混ざった空間の可能性を探っていくところまで行くこと自体が難しい。しかし、ゲームの場合、人さえ集まればいくらでも空間をいじることができる。セカンドライフはFPSの後に来たし、iPhoneはNintendo DSに先を越されてしまった。
ということで、これから海外の実空間とビデオゲームを融合させた試みである、Pervasive Gameという分野の本を読んでいく。EUから膨大な金をもらって2004-8年まで研究を行った、IPerGというプロジェクト(http://www.isa.se/templates/News____25589.aspx )があったのだが、それに参加した人が主に書いた「Pervasive Games: Theory and Design」を読んでいく。できれば1日1章読んでいきたい。
Pervasive Games: Theory and Design (Morgan Kaufmann Game Design Books)
- 作者: Markus Montola,Jaakko Stenros,Annika Waern
- 出版社/メーカー: CRC Press
- 発売日: 2009/07/22
- メディア: ペーパーバック
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この本はIntroductionからして既にやばい。「諸君、私は戦争が好きだ」を思い出した。
We love games.
We love board games, party games, role-playing games, digital games, online games, and all kinds of games. We all had our first strong experiences of pervasive games--of games that felt somehow more real, more encompassing, and more engaging--over ten years ago. These games were played among everyday people living their everyday lives. (略)
目次(Chapterのみ)
- Theory
- Chapter 1: ゲームとPervasive Game
- Chapter 2: Pervasive Gameのジャンル
- Chapter 3: Pervasive Gameの歴史的影響
- Design
- Chapter 4: 空間的広がりをデザインする
- Chapter 5: 時間的広がりをデザインする
- Chapter 6: 社会的広がりをデザインする
- Chapter 7: Pervasive Gameのデザイン戦略
- Chapter 8: Pervasive Gameの中の情報技術
- Chapter 9: 携帯電話でのPervasive Gameをデザインする
- Society
- Chapter 10: Pervasive Gamingの倫理
- Chapter 11: Pervasive Gameの分類をマーケティングする
- Chapter 12: Pervasive Gameの芸術と政治
- Chapter 13: メディア文化の中のPervasive Game
この他に、随所に個別のゲームの説明が入っている。