今年1年を振り返る

1年を体系的に振り返ることは普通しないのだが,これだけ後味が悪いと振り返りたくもなる。起こった出来事のダイジェストをまとめる。

博士課程に関わる様々なこと

まず,本年をもって正式に課程博士を取ることはできなくなった。社会人学生の課程博士取得実績(0人)からいって入学時から無理だろう,そして決定的に無理になる瞬間が来るとは思っていた。また,論文博士を取るにしても年限までいて,できる限り研究をすすめるつもりだ。しかしやはりその時が来たら自分がだめだったんじゃないか,また今までの5年間はなんだったんだという感じにはなる。

結果的に鬱病を発症し,良くなったり悪くなったりしている。そのため研究も進まないという負のスパイラルに入った。今この瞬間も戦っている。立ち直れるかどうかは知らない。

もっとも,「自分の研究方針に最も近い方針の問題点を指摘し,方針を明確にする(2016)」,「研究対象の特徴を分析し,研究課題を打ち立てる(2017)」,「それが今までやられていない独創的なことだと先行研究から示す(2018)」という人文で必要な地盤固めに目処が立ち,具体的な分析に入ることができた。荒削りだったが,研究大会での発表で「この方に注目して欲しい」という方から質問を頂いたのはうれしかった。

訃報,事件など

詳しくは言えないが,「そのうち起こるだろう,自分を支えていて(もしくは,過去に支えられて)いた人や環境が崩壊すること」が何度かあった。10年以内に起こるだろうが,いつ起こるかわからないということが今年2回くらいあった。ようやく落ち着いてきたところだが,正直今年は陰鬱な雰囲気に包まれていた。

仕事の性質の変化による負担

会社では基本的に研究開発をしており,その延長としてソフトウェア開発の案件に携わっていたが,今年度は泥臭い製品開発としての側面が強く,要求はコロコロ変わり,無理なものは無理,だったら落とし所はどうするか,といったことばかりやっていた。やればできるが向いておらず,強く疲弊している。

最も厳しい時期に眼病で1ヶ月何もできなくなった

ウイルス性結膜炎にかかり,症状はそこまで重くなかったが,感染を防止する観点から行動を制限され,外にも出られなかった。大学院で年1回の重要な進捗発表会があったが,大学院も「学校」なので,「出席停止」に引っかかってしまった。PCを見るのが厳しいので仕事も進まなかった。「なんとか色々打開しなければ」と考えていた矢先だったため,本当に厳しかった。

まとめ

正直,ここまで書いたことはすべて一過性だ。研究も厳しいフェーズを超え,仕事がきついのも今年が特殊だっただけだ。訃報や事件はいつかは起こる。しかし全てが一挙に来てしまうと容易には耐えられない。

「この状況がずっと続いたら耐えられない」という考えは,必然的に将来への不安,この先やっていけるのだろうかという不安になった。もちろん良い面もあり,Civic Techを推進する一般社団法人の立ち上げに参加したりなどアクティブにもなれた。その反面,死も覚悟していた。

こう振り返ってみると,いつか起こる不幸を切り抜けながら,研究や仕事の厳しい時期を生産的にクリアし,新しい芽もまいていた。正直もっとできた,もっとよくできたと言いたい気持ちはあるが,現実的な線としてはこの程度やれれば充分という感じだろう。

それにしても悪い年だった。