1年限定の鬱をやっていた

 今年、生きる柱となっていたすべてを失った。当然鬱状態になることは予想されていたのだが、それを緩和しながらしばらくやっていくか、それともドップリ喪に服すか、いろいろ考えた結果後者にした。15年がある種空白になったので、付け焼き刃では対応できないというのと、思いきり病んだほうが恐らく結果的に残らないだろうと考えたからだ。

 4月は大学院を単位取得退学し、前日に好きだった女性に告白して振られたところから始まった。そして、月末に第二の家となっていた店が公式に閉店することが決まった。鬱の気配が走り寄ってきた。これは早々に外に出られなくなるだろう。今のうちにやれることをやっておこう。今後のいかなる研究に必須の文献を途中まで読み、力尽きた。

 5月、宗教的な基盤が必要だと思い、ゴールデンウィーク築地本願寺に泊まった。細かい話になるが、先祖代々浄土真宗大谷派で、築地本願寺浄土真宗本願寺派なので、実質的に改宗したことになる。まだ文献は読んでいたようである。

 6月、7月はいろいろ覚えていない。鬱を自覚し、なんとか生きていた。ワクチンの2回目まで受けた。7月末に、店が非公式にも閉店した。

 8月、何もないところから始まったが、突然LINEでシェアハウスで揉め事が起きていると連絡が来た。結局8末まで相談に乗っていた。

 9月、大学の講義が始まった。喋れなくなっていたので、これでは講義できないと思い、YouTubeで配信をしてリハビリしていた。なんとか1回目の講義は突破した。

 10月、初めに担当していた案件がなくなった。年度末までの予算を9末で一度切るということだったが、プロジェクトそのものがなくなるようだ。そんな状態で2回めの講義。講義資料のアップロードは間に合わず。オンライン講義のURLは当日に送り、録画はされないので撮り直した。学生に謝罪を行った。しかし、次回が来る。やるしかない。立て直し、少しずつ慣れてきたが息切れしながらやっていた。案件がないので時間だけは合った。

 11月、文化の日で講義が1回休み。これで少し立て直した。しかしこれから7回連続。ギリギリでやっていたが、えっと情報社会論の回だから11月末か。そのあたりで少しずつ回復してきた。あと、案件が何故か復活した。

 12月、パッシブだがいろいろなものに参加した。

  • 2日、京都図書館大会。著作権法改正とデジタルアーカイブについて。直接講義のネタになった。
  • 7日から3週連続で「浄土三部経」の講義を受けた。
  • 13日、大学院のゼミに復帰した。修士の学生に助言をしたかったが、いつものように言葉が出ず。
  • 15日から都知事杯オープンデータハッカソン。前にハッカソンに参加したのは6年前なので、講義で「俺も昔は」と話すのは良くないと考えた。まあ多少は貢献できたかと。

案件の方も締めることができ、よかった。講義の方もあと1回、どう締めようかは考えどころである。記憶、発言などに鬱は残っているが、まあ回復の基調だろう。もっと時間かかるかな、最悪一生だめかなとか考えていたが、講義の最後にこのコンディションまで持ち直せてよかった。

ひどい1年だった。