ポジティブな「俺はもうだめだ」
「俺はもうだめだ」が口癖になって10年になるが,実はそれにいたる元はポジティブな動機から来ている。
というのも,私は基本的に人に興味がない。人と話しても自分の話をするか,自分が面白いと思った話しか聞かない人間だった。
だから,自分が何かしようとするとき,人に助言をもらっても単に無視することが多かった。
一方で,世の中には自分の知らないことや,経験,能力を持っている人が多い。そのような人から適切に教えを請わないと,まともな成長は望めない。
そのために,無理やり人の話を自分に聞かせる必要がある。「すごいですね!」で終わらせてはならない。
その手段が,自分をだめであると明示することだ。私はこの能力についてだめだから,人の話を聞かなければならない。
それを追加することで,ようやく人の助言を活かすことができるようになった。
さて,そこまではよかった。その目で世の中を見てみよう。実は,一人一人見てみたら,自分はその人よりだめなのではないか。
恋愛ができる人は,恋愛ができない自分より良い。借金のない人は,借金のある自分より良い。自分より借金のある人は,借金ができる信用能力がある。
ある意味で,それは人の良いところを発見する作業である。しかし,発見すればするほどそれが重荷になる。
最終的に,私は自分は最低でどん底のだめな人間だと認識するに至った。
そうなると,今度はすごい人の助言を活かす際の精神的負荷が高くなってきた。助言は必要。受ける。そしてぶっ倒れウーだめだとウンウンうなる。活かせはする。
まあそれをどう健全にしていくかはわからず,試行錯誤しているのだが,そういう経緯がある。