近未来SFの設定を思いついたが書く胆力がない

とりあえず書き留めておく.今日見た夢で思いついた.

■21世紀後半の職場環境は非常にハードボイルドなものになっている.企業が重視する素養が「コミュニケーション能力」から「死ぬ覚悟」となったためである.高度専門職業人の増加,社会課題の多様化・複雑化に伴い,単に能力があるだけでは雇われることはなくなってきた.一方,プロジェクト失敗のリスクは極限まで高まり,高度な能力をもった人間が全力で取り組んで,プロジェクトが終わったら再起不能になる程度になるまでやらないと成功しない時代になった.

■このため,高度な人材を使い捨ててプロジェクトを成功させる手法が,主にアメリカの特殊部隊出身の企業人から発生した.この目論見は成功に終わり,21世紀後半には多くの企業がその方法をとることとなった.単純作業をほぼ機械的に行えるようになった時代では,基本的に高度な能力をあらかじめ身につけないと就職できない.そして,高度な能力があっても死ぬことのできる覚悟がないと職にありつくことは難しくなってきた.

■21世紀後半のプロジェクトは,失敗したらその後の人生を終える(死んだり重い後遺症が残る)程度のものであるため,比喩ではなく本当に死ぬ覚悟が必要である.実際に人がバンバン死んでいるが,まだ博士程度の教育が全員に行き渡ったわけではないため,人材は次々と流入しており,労働市場の人口は増加している.この過渡期的状況が「死ぬ覚悟」の時代を支えていた.

■近年の研究によって,バーチャルリアリティ上でのゲームで戦って死を重ねる際に,適切な刺激を与えれば実際に死ぬのと同等の覚悟が可能になることがわかってきた.複数のゲームが就職テストとして有効になり,それを乗り越えた人間は新たな職を得ることになる.仮想空間には今や膨大な人間が死ぬ覚悟を得るために集まっているのであった.